この小説は、昭和47年の作品みたいですね。
俺が10歳の時か~。 ある意味、それは凄い昔なんですが、でも『俗物図鑑』という小説は、本当に素晴らしい作品だったんだと思っております。 この春に、この長〜い作品を、また、ゆっくり読み直させて頂きました。 今読んでみると、こういう素晴らしい作品は、若い時代に読むのとは、全く違って感じます。 ジャカジャカと始まって、どんどん盛り上がって行って、最終的には、どうしてこんな事になっちまったんだ~! な~んていう、作品ならではのゾクゾクしさは、年を取ってからの方が、やっぱり心に響きました。 でも、ハタチ前後に読んでいた時も、その素晴らしさに揺れておりましたから、おそらく誰が読んでもウキウキ・ジャカジャカ・ベンベラベンだすよね。 取りあえず『俗物図鑑』を、今日のお勧めの小説とさせて頂きます。 まずは、主人公が仲間の女性社員と一緒に、お歳暮の品定めをする、という所から話は始まります。 いろいろと決めていくと、どこの会社にも「ジョニー黒2本」になってしまうんですよね。 あの時期だったら、それが本当に普通だった状況だったんでしたよね。(70年代的な感じ) まあ、その作業から始まるんですが、そんな事には関係無く、主人公の方には「盗聴」が密かな楽しみがあった訳です。 社内のいろんな所に”盗聴用マイク”を仕掛けておいて、社員の誰かれの噂話やケチくさい陰謀、女子社員の他愛も無いおしゃべりなど、いろんな会話を盗聴しておりました。 そんな中、彼がバーで知り合った男性。 その人が、凄~い事を確実に分かってしまうぐらいの力を持っている事を分かったんですよ。 その友人は、他人が戻した”ゲロ”を見たり、匂いを嗅いだり、時にはチロリと”ゲロ”を舐めてみたりして、その「ゲロ戻しの吐瀉人」の、職業や顔立ちや性格などまで、確実に限定出来てしまうような男だったんですよ。 何か、想像しただけでも、胸が悪〜くなっちゃうような話なんですけどね。 でも、主人公は思いついたんです。 「彼は”吐瀉物評論家”であるべきだ!」ってね。 まあ、そんな事が数々と連続してしまったので、主人公は思いついたんです。 「それなら1つの集団にしてしまおう。いろんな人達が集まる『評論家』にしてしまおう!」 そして、「梁山泊プロ」ちう名前で、評論家集団を作ったのでございます。 懐かしい言葉だ、、、梁山泊。 ”水滸伝”を思い出しちゃいますよね。 ヌプ。。。 ☆ 評論家になった人々 盗聴評論家 贈答評論家 反吐評論家 吐瀉物評論家 麻薬評論家 月経評論家 口臭評論家 カンニング評論家 墜落評論家 皮膚病評論家 痰壷評論家 性病評論家 自殺評論家 横領評論家 俗物評論家 出歯亀評論家 放火評論家 そんな風に、いっろいろな評論家が集まって来る訳でございます。 そんな中いきなり、年齢はかなりいっちゃってる老人なんだけど、自分は皮膚病に関する知識が本当に優れているんだ!という人がやってきたんです。 「その知識力なんだから、自分も評論家として頂きたい!」と、騒ぎながら、評論家の人々に近づいて来るんです。 彼はヤバい年齢にも関わらず、体のあちこちに皮膚病が溢れているんですよ。 そして、相手と話してるうちに、体をあちこちと公開していって、相手によっては皮膚を擦り付けて、病気を移してしまう、という男なんですよ。 なので、そんな風に”体中が皮膚病の嵐の男”を、ちょっとだけ触っただけでも、自分にも皮膚病が訪れて来てしまうんでございます。 なので、本当にしょうがなく、彼は「皮膚病評論家」にしてしまう訳でございます。 後々、評論家としてテレビにも出演する事も出て来て、皮膚病のグチャラゲさを、世界中の人々に広めて行く事も訪れてしまう事になるんですよね。 凄過ぎる感じだす。。。 「俗物図鑑」を30年ぶりに読み終えてみますと、やっぱり、こんなドラマをテレビでやってくれたら、どれほど面白いんだろ~な〜!って思いました。 でも、やっぱ映画にしたら、いろんな状況が沢山出て来るし、やっぱ、やりきれないだろうな〜。 で、ですが、これを書いた頃はYouTubeでタダで観れていたので、3つに分けて並べてたんですけど、多分、DVDが発売する事で見れなくなっちゃいました。 なので、さっき探して観たら、「筒井康隆原作/内藤誠監督作品『俗物図鑑』初DVD化予告篇」を見つけたので、チョビッとだけでも観てみてください。 こんだけみても、映画の素敵さは溢れておりました。 ちなみに、主題歌はヒカシュ~でした。 巻上公一さんそらも出演せれてますね。 これは’82年の作品でしたね。 出演している人達は、どの人も素敵で変テコな人達ばかりでした。 自殺評論家の大林宣彦さんは、映画監督なんですけど、俳優としてのグチャラゲさにも震えておりました。 しかも、山本晋也さんのヘンテコリンさも素晴らしかったっす。 マスコミが考えてる事は、普通の人間とは違っていたりもするんですよね。 でも、そんねグチャリとした場面も、次々と現れ出てきますね。 で、最終的には、自衛隊との対決がやって参ります。 そりゃー逃げなくちゃ!ですよね。 どうしようも無く、戦いにになってしまった訳ですからね。 でも、場合によっては自衛隊員すらも、逃げ惑ったりする場面もありました。 皮膚病評論家が、彼らに向かっていってしまった訳ですからね。 そりゃ~、逃げざる終えんでがしょう。 まあ、それからゆっくり終わりに向かって行く訳でございます。 あら~?、途中に出て来るジャズは「山下洋輔」なんじゃないのかな~。 「山下洋輔」的なフリーなジャズですよね。 まあ、どちらにせよ素晴らしいフリー・ジャズでした。 いや~!しかしタダで見れて良かった良かった。。 小説の素敵さも、凄く含まれているし、良くやってくれましたよね。 だけど、時代的には今風の作り方も沢山思いついてきますよね。 でも、ドラマをテレビでやるのなら、やっぱり23時過ぎぐらいかな。 普通の時間だと、エロもヤバいし、毒劇もムツカしい。 良い時間に、21世紀だからこその素晴らしさを、ドラマとして作り上げて頂きたいもんです。 それを期待しつつ、俺もゆっくしと待ち続けていきたいと思います。 誰か!どうかヨロピクね!!! さて「俗物」といえば、個人的に思い出してしまうのは『DER ZIBET』なんですよ。 普通にポップ風のロック・バンドなんだけど、音楽の作り方には”俗物的な変梃さ”も含まれてるんじゃないですかね~。 変梃好きな書き方してしまって、すみませんね。 でも、俗物の世界には、日本のロックの世界を、今まで以上に面白く盛り上げて行く力もあるのではないかと思っております。 だしょ???って言いたい所ですけどね、、、 まあ、「俗物図鑑」は、ちゃんと小説としても読んでみてくださいね。 500ページもの長~い小説なんですけどよ。 ゆっくし読むと、筒井康隆の素敵さもビチビチと見えてきますからね。 取りあえず、今日のお勧めは『俗物図鑑』という小説なのでございました。 長らくありがとね! 映画の最後に出て来た言葉です。 「また30年経ったら、どっかでこの続きするんだからな~!」 それでは、また!
by rock_capybara
| 2011-07-18 13:45
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